2021.06.01
この時期は半身浴より全身浴がおすすめの理由
暖かい季節になってくると、
「そろそろ湯船に浸かるのがしんどくなってきた」
「半身浴でリラックスタイムを長く味わいたい」
そう感じてくる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、半身浴はバスタイムを長くリラックスできる反面、全身浴と比べると入浴効果が低い面が存在します。
今回の連載では「半身浴の入浴効果が低い理由」と「入浴で睡眠の質を高める方法」についてご紹介していきます。
そもそも半身浴とは?
半身浴とは肩まで浸かる全身浴と違い、バスタブの中に座った状態で、みぞおち程度まで体をお湯につけて入浴する方法を指します。
体温の上昇が緩やかなため、長時間お風呂に浸かってられるのでその時間で読書をしたりスマホを見る方は多いでしょう。
半身浴がおすすめできない3つの理由
その理由には以下があります。
①乾燥肌が加速
②疲労回復効果が低い
③体の芯が温まるのに時間がかかる
①乾燥肌が加速
半身浴は身体のみぞおちから上の部分が湯船から出ているので、肌の潤いが流出し、肌が乾燥しやすくなります。
これにより元々乾燥肌だった方はさらに乾燥肌が加速する恐れがあります。
なので、乾燥肌を気にされている方はしっかり肩まで浸かる全身浴をすることをおすすめします。
②疲労回復効果が低い
入浴には「温熱作用」「水圧作用」「浮力作用」といった3つの作用が働きます。
中でもこの「水圧作用」によって、身体を血流良くし、肩のコリが取れやすくなり、疲れを和らげる効果があります。
半身浴だと身体の半分しか湯に浸かっていないので、効果的な水圧作用が働かず全身の疲労回復効果が低くなってしまいます。
③体の芯が温まるのに時間がかかる
睡眠の質を上げるためには身体の芯の部分、「深部体温」を上げることが重要です。
半身浴は湯に浸かっていない身体の面積が多いので、深部体温を上げるのに時間がかかってしまいます。
入浴効果を高めるためにも、身体の深部体温をすぐにあげられる全身浴が効果的と言えるでしょう。
参考
全身浴と半身浴、どんな効果があるの? | お風呂なび | アース製薬 https://www.earth.jp/ofuro/faq/009/index.html
【お風呂美容7つのヒント】美容効果を高める入浴方法を専門家が伝授! | https://lee.hpplus.jp/column/1790242/area02/
入浴で眠くなる仕組み
私たちの睡眠の質は身体の体温と大きく関係しています。
みなさんも経験があるかと思いますが、入浴後に眠気を感じる理由は、入浴で上昇した深部体温が下がるからです。
先ほどご紹介したように、入浴はこの深部体温を一時的に引き上げる効果があり、入浴後は引き上げられた体温が急速に下がるので眠くなります。
この深部体温を効果的に上げるために半身浴より全身浴がおすすめです。
そして、この体温が下がるタイミングで眠りにつくことで「質の高い睡眠」が取れるようになります。
では、具体的にどのようなスケジュールで過ごすと「質の高い睡眠」を取れるのでしょうか?
スッと眠れるおすすめ入浴スケジュール
睡眠の質を高める入浴スケジュールをご紹介します。
「夕食後1時間は入浴を避け、40度のお湯に15分浸かり、お風呂を上がって約90分後に布団に入る」と覚えていただくと簡単です。
夕食から眠るまで、大切なポイントが3つあります。
①夕食から入浴まで1時間は空ける
②入浴は40度のお湯に15分間浸かる
③入浴は就寝の1〜2時間前にする
夕食のあとすぐに入浴をするのは、消化吸収の妨げになることが指摘されています。
入浴をすると体温調節のために、皮膚や手足に血液が多く流れ込んで、消化管への血液の供給が減るからです。
なので食事を済ませてから、ある程度消化吸収が進行した後に入浴することをおすすめします。
入浴は40度のお湯に15分間浸かりましょう。
この入浴方法について詳しく知りた方は別の記事でもご紹介しているので、そちらもご覧ください▼
入浴後、お風呂で一時的に上がった体温が1時間半程度で急速に下がり、眠りやすいタイミングがやってきます。
このタイミングでベッドに入ることで質の高い睡眠をとることができます。
参考
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が先「めし」は後 https://e-kensin.net/news/10232.html
まとめ
今回は質の高い睡眠を得るために半身浴がおすすめできない理由についてご紹介しました。
半身浴は全身浴と比べ体の芯が温まるのに時間がかかります。
高い入浴効果を得るためにも全身浴をして、入浴後90分間隔を空けてから就寝するようにしましょう。
体が冷え切ってからでは、逆に眠りにくくなってしまいます。