2021.03.09
花粉症がつらい時期におすすめの入浴法
「今年は花粉がひどい」という声をよく耳にします。
薬は根本的な治療ではありませんし、場合によっては副作用がつらい方もいらっしゃるかと思います。
また、薬以外では、花粉対策メガネや、花粉ブロックスプレーといったグッズを使ったり、花粉症によいと聞いたお茶を飲んでいる人もいるのではないでしょうか。
そんな方にお伝えしたい「花粉症におすすめの入浴法」があります。
この記事では、Onsen*アプリを監修していただいた、温泉療法専門医の早坂先生の著書から、「花粉症におすすめの入浴法」をお伝えします。
アプリの監修
医師 博士(医学) 温泉療法専門医 早坂信哉
20年にわたる研究で、のべ3万8千人の入浴を調査してきた第一人者。家庭のお風呂や銭湯だけでなく、「温泉療法専門医」として温泉の医学的効果も研究。1993年、自治医科大学医学部卒業、1999年より入浴医学研究に従事。2002年、同大学院医学研究科修了後、浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て、現職。
著書:「最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案」
温泉療法医・温泉温泉療法専門医とは
(温泉療法医とは)正しい温泉・気候・物理療養指導を行えるよう教育研修会全課程を修了し、当学会入会年より3年を経て、認定を受けた医師を指します。
(中略)
温泉療法専門医は、(温泉)療法医より上位の資格となります。
温泉療法医認定より2年以上を経て(最短で学会会員歴5年以上)、専門医試験に合格した上で専門医取得条件を満たして認定を受けた医師を指します。
https://www.onki.jp/doctor/about/
日本温泉気候物理医学会ホームページより引用
花粉症の基本的な対策
花粉症は、花粉に対するアレルギーです。
アレルギーとは、体を守る免疫機能が、本来、体に害が少ないものを敵と間違えて起こる、過剰な防御反応のことです。
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」と呼び、アレルゲンとなる花粉の除去が、花粉症の基本的な対策です。
外出すると、髪や顔などを中心に花粉が付着します。
花粉をできるだけ室内に持ち込まないように、帰宅したらすぐに部屋着に着替えます。
部屋着に着替えても、髪や顔についた花粉は取りきれていないので、布団に寝転んで休憩するのは控えます。
髪や顔についた花粉は、お風呂で除去します。
ポイント① お風呂で花粉を除去
お風呂に入ったら、髪や顔に付着した花粉をしっかり洗い流します。
入浴せずに布団に入ると、付着した花粉をそのまま布団に持ち込むことになります。
布団に花粉を持ち込むと、睡眠中にもアレルゲンと接触して、症状が悪化します。
バスタオルや衣類なども、花粉の時期は、花粉が付着しないよう外で干さないことをおすすめします
ポイント②お湯を熱くしすぎないこと
42°C以上の熱いお湯は、かゆみを生む「ヒスタミン」という物質を作るので、花粉症が悪化する可能性があります。
そのため、ぬるめのお湯で入浴します。
ポイント③ あたたかい湯気を吸い込む
お風呂の「湯気」は、花粉症の特に「鼻づまり」の症状をやわらげる効果があると考えられています。
花粉症による鼻づまりは、鼻の奥の粘膜が充血して、腫れ上がり、鼻の通りが悪くなって起こります。
粘膜の充血は、粘膜内の毛細血管に血がたまり、血の流れが滞っている状態です。
お風呂に入って血流をよくし、あたたかい湯気を吸い込むと、鼻づまりも一時的に解消します。
また、湯気を吸い込むことで、気道に適度な湿り気を与えることができます。
花粉やホコリ、ウイルスなどの、気管の異物を排出させるための働き(繊毛運動)を正常化してくれます。
参考:
カラダの乾燥を防ごう|大塚製薬 https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/dehydration/prevent-yourself-from-dehydration/
ポイント④ シャワーだけよりお風呂に浸かる
シャワーができることは、髪や顔に付着した花粉を洗い流すことだけです。
お湯に浸かる「入浴」には、以下のような心と体への健康効果があると、現代医学で分かっています。
入浴の7大健康作用
1. 温熱作用 - 体を温めて、血流アップ
2. 静水作用 - しめつけて「むくみ」を解消
3. 浮力作用 - 筋肉や関節をゆるめて緊張をとる
4. 清浄作用 - 体の汚れを洗い流す
5. 蒸気・香り作用 - 免疫力を高め、自律神経を整える
6. 粘性・抵抗性作用 - 手軽な運動療法効果
7. 開放・密室作用 - 日常から解放されるリラックス効果
シャワーは「4.清浄作用」の効果だけです。
鼻づまりをやわらげる、「1.温熱作用」の効果はもちろん、他の効果も得られません。
お湯に浸かる方が、体や心に、様々な健康効果を得ることができます。
アレルギー症状は、ストレスや疲労の蓄積によって、ひどくなるとも言われています。
日々のケアに、お風呂はとても手軽な方法です。
参考:
ひのクリニック | 疲れると花粉症がひどくなる | ひのクリニック https://www.hino-clinic.jp/3474.html
ぬるめのお湯に浸かる、おすすめのOnsen*レシピ
Onsen*のアプリや入浴剤は、睡眠に悩んだり、在宅ワークやデジタルの刺激に疲れを感じていたメンバーの発案で生まれたサービスです。
Onsen*のアプリでは、温泉療法専門医・早坂信哉先生監修の「ぐっすり眠りたい」「自律神経が乱れている」「おうち時間でも、汗をかきたい」など、日常のお悩みを解決する入浴レシピを実践することができます。
このレシピから、花粉症にもよい、ぬるめのお湯に浸かるレシピは「心と身体を解放する」レシピです。
それぞれのレシピにはおすすめの入浴時間や温度、専用のBGMがあり、再生されるボイスに従って入浴を行うことで、毎日の入浴の質をより高めることができます。ぜひ、ホーム画面よりお試しくださいね。
おわりに
今回は、花粉症におすすめの入浴法をお伝えしました。
花粉症によい入浴法まとめ
・アレルゲンである花粉をお湯で除去
・お湯の温度を高くし過ぎない
・湯気をしっかり吸入
・シャワーではなく湯船
花粉症によい入浴法を教えてくれた早坂先生は、「面倒なことは考えず、毎日湯船に浸かることが大切」と伝えてくれています。
「毎日、湯船に浸かること」の健康効果は、以下のような結果が出ているからです。
・睡眠の質が向上する
・主観的健康感(自覚する健康状態)がよくなる。
・「幸福度」が高くなる
・3年後、要介護状態になるリスクが29%減少する
上記の結果を得るためには「医学的に正しい入浴法」でお風呂に入る必要があります。
お風呂に入るタイミングや、湯に浸かる時間、温度などが大切です。
Onsen*のアプリなら、再生されるボイスに従って入浴を行うことで、簡単に正しい入浴ができます。
花粉症対策だけでは無く、日々のストレスや疲労の回復にも。
生活の中に「入浴」を取り入れてみてはいかがでしょうか。